ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAMAZONの隆盛

『ワンクリック』 リチャード・ブラント著 井口耕二訳 日経BP社(2012年10月)
 
 
「アマゾンは世界で最も顧客の立場に立った会社なんだ。たまたまその手段が今、インターネットなだけ。書籍だけを売るつもりもない。最先端の技術と発想で、顧客の体験を豊かで快適にするのがアマゾンのミッション」。ジェフ・ベゾス 
※この文章は「ワンクリック」には含まれていません。
 
 
 

すごいアイデアひとつで業界を変えることは出来ない。たくさんのアイデアとほぼ完璧な実行、そして根性が必要だ。
 

アマゾンのワンクリック特許は1999年米特許商標庁に認められた。法律の専門家も「悪名高い」特許と呼ぶようになる。「おかしくなった知的財産環境の一例である」とこの特許への批判もある。
 

ペゾスは投資銀行に就職し、種類の異なるコンピューターをネットワークでつなぐステムの開発を行った。「すばらしいできでした。ジェフが構築してくれたからです。彼は最高の通信エンジニアでした。止まらない。ハングアップしない。正しく動く。完璧でした」。
 

「アマゾンは守りが弱すぎる」リサーチ会社社長はアマゾンにないものを正しく指摘した。ただ、アマゾンが持つ武器、ジェフ・ペゾス本人、を理解できていなかった。
 

2007年11月、ベゾスが記者会見を開きキンドルを発表した。発売時、399ドルのこの電子機器リーダーは5時間半で売り切れたという。
 

利益は出ていません。出そうと思えば出せますけどね。利益を出すのは簡単です。同時に、愚かなことでもあります。我々はいま、利益になったはずのものを事業の未来に再投資しているのです。
 

ペゾスを過小評価するのだけは避けなければならない。
 

我々は電子商取引ならココという場所になりたい。誰かがなにかをオンラインで買いたいと考えたとき、それが我々が取り扱っていない物であっても我々のところへ来てもらえるようになりたいのです。
 

私は今も本の半分は書店で買っています。明日ではなく、いますぐ欲しいという場合もある。優れた書店は、いま、コミュニティセンター的な役割を果たしています。皆が入れるだけのスペースは十分にあるのです。
 

他社にもアマゾン(マーケットプレイス)経由で販売させれば、アマゾンは、製品を見つけるベストな場所であり続けられる。この点も、一般的な感覚がまちがいでペゾスの考えが正しかった。
 

2000年ペゾスは「ブルーオリジン」を立ち上げた。多くの人が宇宙に行けるように、人類が太陽系の探査を継続できるように、辛抱強く、一歩ずつ、宇宙飛行のコスト削減に取り組んでまいります。
 

実現には長い時間がかかりますが、しゅくしゅくと仕事を進めていきます。そのために、改良の積み重ねが大事だと考えていますし、投資を継続可能なペースに保つことが肝要だと考えています。
 

結果を出すには「ゆっくり、たゆまず」進めるしかなく、しばらくすれば楽になると自分たちをだますことはしません。
 

小さな一歩を細かく繰り返すほうが多くを学べます。そのほうが目的を失いにくく、最新成果の飛行を早期に見られるようになります。